IT眼症におけるドライアイ
医療法人社団みどり会にしき記念病院




眼科センター
  ●ドライアイについて
    ドライアイとは?
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最近、TVゲーム、インターネット、パソコンなどの普及で目を酷使する機会が多く、それに伴い
「眼が疲れる」、「眼が乾いた感じがする」という症状を訴える方が急増しています。
その原因のひとつとして、ドライアイが注目されています。
一口で言えば乾いた目ということになりますが、一体どういう目のことをいうのでしょうか?
ドライアイの原因と対策
 目の涙液量は、涙の分泌量・蒸発量・排出量がうまくバランスをとって、目の表面を
   保護しています。さまざまな原因により、このバランスが崩れた時に、ドライアイを
   起こしてきます。

 
加齢 加齢により涙が減少する場合や、涙そのものの質が変化してドライアイに
       なることがあります。

 
空気の乾燥 低温度、低湿度の環境は、ドライアイになりやすいといわれていま
           す。エアコンなどで過度に低温度・低湿度にならないように心がけ、
           できれば加湿器を使いましょう。

 
まばたきの減る作業 パソコン、テレビゲーム、細かい作業、読書、運転など精神
                集中が必要な時に、まばたきの回数が少なくなり目が乾燥
                します。
                意識的にまばたきの回数を増やすとともに、しっかりとまば
                たきするようにしましょう。

 
コンタクトレンズ コンタクトレンズを装用すると目の表面の涙の層が不均一になる
             ために、乾燥感をはじめとしたドライアイの症状がでてくることが
             あります。
             コンタクトレンズの装用を中止して眼鏡に変更する、装用時間を
             短くする、コンタクトレンズの種類を変更することなどで、改善する
             こともあります。また、コンタクトレンズが汚れていると、涙の分布
             やCL表面の涙の水濡れが悪くなるので、コンタクトレンズのケア
             も重要です。

 
睡眠不足やストレス 涙の質や量が低下して、目が乾きやすくなります。
                夜更かしは避け、規則正しい生活を心がけましょう。

 
全身の病気 代表的なものとして、シェーグレン症候群という病気があります。
           涙を分泌している涙腺が徐々に破壊されて、涙の分泌量が減少する
           病気です。涙腺だけでなく唾液腺も破壊されるので、唾液の分泌が
           低下し、口が渇くといった症状も起こります。
           そのほか、リウマチサルコイドーシス膠原病(こうげんびょう)
           糖尿病C型肝炎もドライアイを引き起こすことがあります。

 
薬の影響   血圧を下げる薬や精神安定剤などのさまざまな薬によっても、ドライ
           アイを起こすことがまれにあります。
           また、目薬の種類や点眼回数によってもドライアイが起こることが
           あります。
 いろいろな原因により涙の量が少なくなったり、本来持っている涙の働きが悪くなっ
   たりすることによって、目の表面に傷ができてしまう病気のことです。

 この結果、目が痛くなったり、疲れたり、まばたきが増えたり、白目が充血したりする
   ことになります。

 単に"眼が乾く"だけでなく、眼の表面を傷つけることから、その治療は大変重要で
   す。
    ドライアイの症状
 ドライアイの症状はとてもあいまいで、なんとなく目が疲れやすいなど自分では気付
  きにくいのが難点です。
  特にコンタクトレンズをしていると、痛みに気付かない場合があります。
  目が痛くないからと安心している方、要注意です。 
以下の症状のうち、5つ以上あてはまったら、ドライアイの可能性があります。
ドライアイかなと思う方は、できるだけ早い段階で、診察を受けて下さい。 


    ドライアイの検査
 涙の量や質、目の表面の障害(傷)を調べるために、一般的には次のような検査が
   行われます。

 涙の分泌量を調べる代表的な検査は、「シルマーテスト」といいます。
   短冊状の濾紙を下まぶたの端に5分間挿入して、濾紙が涙で濡れた長さで涙の量を
   測ります。
 さらに、顕微鏡を使って、角膜(黒目)や結膜(白目)の表面に傷がないかどうか、
   また、涙が目の表面をきれいに覆っているかを調べます。
 点眼 症状が軽い場合は、目に潤いを与える目薬(人工涙液)や、目の障害を治す
   目薬を必要に応じて使います。
   人工涙液は、なるべく頻回に点眼します。
   点眼薬に含まれるわずかな防腐剤が角膜や結膜に障害を引き起こすことがあり
   ますので、防腐剤の入っていない点眼をお勧めします。
   さまざまな種類の目薬がありますので、本人にもっとも合ったものを探していく必要
   があります。
   ほとんどの方が、この目薬だけで改善できます。

 
眼軟膏の併用 目の表面に傷があり、違和感や痛みが強い場合には、潤滑剤として
   眼軟膏を一緒に使う場合もあります。

 
特殊なメガネの使用 症状によっては、目のまわりの湿度を高く保ち、涙の蒸発を
   食い止めるために開発された特殊な眼鏡をすすめられる場合もあります。

 以上のような治療をしても治りにくい重症のドライアイの場合には、少しでも残って
   いる本人の涙を出来るだけ長い時間目の表面にとどめておくために、涙点とよば
   れる涙の排水口を、「
涙点プラグ」というシリコン製のプラグで栓をします。
   涙点の大きさは個人差がありますので、患者様に合った「
涙点プラグ」を選択して
   挿入します。
   「
涙点プラグ」の挿入は、通常の外来診察時に短時間で行うことができます。
    ドライアイの治療
涙点
 手術 さらに重症の場合には、手術的に涙の排水口(涙点)を閉じてしまう治療
(外科的涙点閉鎖術)を行います。
 生活環境の変化や、パソコン等まばたきの減少する作業の増加によりドライアイは増えて
   います。
   ドライアイかなと思われる方は、早めに眼科で診てもらいましょう。
IT眼症におけるドライアイ
近年、パソコン・テレビゲーム・携帯電話などのIT(information technology)技術の進歩に伴い、職場のみならず家庭においてもVDT(visual or video display terminals)作業が増え、目を中心として、手、肩、腰などに疲労を訴える人が増えています。
 VDT作業時には、画面注視のため、まばたきの回数が減ります。このため、目を開いている時間が長くなり、涙の蒸発量が増えてドライアイになるといわれています。
 また、目を大きく開けるために、さらに涙の蒸発量が増えることも指摘されています。
  IT眼症によるドライアイの対策は、まず意識的にまばたきを多くすることです。
 長時間の連続した使用は避けて、1時間につき、10〜15分間の休憩をとることも重要です。
 また、モニター画面が見にくいと、凝視しようとしてまばたきの回数が減りますので、モニター画面を見やすいものに工夫することも大事です。
 目線が上向きだと、目を大きく開ける必要があり、涙の蒸発がより増えると考えられるので、モニター画面が下向になるように設置して下さい。
コラム
  <ドライアイチェックリスト>

◇ 目がいたい
◇ ゴロゴロする
◇ 乾いた感じがする
◇ 目が重い
◇ 目が充血する
◇ 目が疲れやすい
◇ 光を見るとまぶしい
◇ 目がかゆい
◇ 目がかすむ
◇ なんとなく目に不快感がある
◇ 目やにが出る
◇ 涙が不自然にでる
◇ 10秒以上目を開けていられない
◇ 悲しいときに泣けない
◇ 口、鼻、皮膚が乾く
◇ 関節がいたい